こんにちは、中小企業診断士の今江亮一です。川崎・横浜エリアを中心に、飲食店・小売店やサービス業などの中小企業の経営支援を行っています。
最近、街を歩いていると、外国人観光客の姿を本当によく見かけるようになりましたね。川崎・横浜エリアでも、ラーメン店や居酒屋の前で「このお店、入れるかな?」と不安そうにメニューを覗き込む外国人の方を見かけます。
実はこれ、大きな機会損失なんです。「言葉の壁」があるだけで、本来ならあなたのお店のファンになったかもしれないお客様が、素通りしてしまっている。
今日は、そんな悩みをAIで解決する方法をご紹介します。使うのは、ChatGPTとCanvaだけ。翻訳会社に外注すれば数万円かかる外国語メニューが、1時間、ゼロ円で完成します。しかも、単なる翻訳ではなく、料理の魅力が伝わる「シズル感のある表現」まで作れるんです。
翻訳機との違い:ChatGPTなら「おいしさ」も伝わる


「外国語メニューなら、Google翻訳でいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。確かに、Google翻訳でも意味は通じます。ただ、翻訳機は「正確さ」を重視するあまり、味気ない表現になりがちです。
例えば、こんな日本語メニューがあったとします。
「秘伝のタレで仕上げた、国産鶏のジューシーな唐揚げ」
Google翻訳で英訳すると、
“Juicy fried chicken made with domestic chicken and finished with secret sauce”
間違いではありませんが、ちょっと堅苦しいですよね。
一方、ChatGPTに「外国人観光客に魅力が伝わる英語にして」と指示すると、
“Crispy, golden-fried chicken made from premium Japanese chicken, glazed with our signature homemade sauce – juicy, flavorful, and absolutely irresistible!”
こんな表現に変わります。「カリッと揚がった」「特製の自家製ソース」「絶対に抵抗できないおいしさ」といった、思わず注文したくなる言葉選びができるのが、AIの強みなんです。
さらに、ChatGPTは文脈を理解できるので、「ラーメン店のカジュアルなトーン」「懐石料理の格式高い表現」といった、お店の雰囲気に合わせた翻訳も可能です。
実践ステップ:ChatGPTとCanvaで外国語メニューを作る


それでは、実際にAIを使って外国語メニューを作る手順を見ていきましょう。
ステップ1:ChatGPTにメニューを翻訳してもらう
まず、ChatGPTにアクセスします。無料版で十分使えます。
以下のようなプロンプト(指示文)を入力してください。
プロンプト例
あなたは飲食店の多言語メニュー作成の専門家です。
以下の日本語メニューを、外国人観光客に料理の魅力が伝わる英語・中国語(簡体字)・韓国語に翻訳してください。
【メニュー】
・特製醤油ラーメン 900円
(豚骨と鶏ガラを12時間煮込んだ濃厚スープに、自家製麺と厚切りチャーシューをトッピング)
・餃子(6個) 500円
(国産野菜たっぷり、皮はパリッと中はジューシー)
※翻訳の際は、料理の特長や魅力が伝わるように、シズル感のある表現を使ってください。
これをコピペして送信するだけで、数秒後に3言語の翻訳が返ってきます。しかも、ただの直訳ではなく、「12時間煮込んだ」「自家製麺」といった魅力がしっかり伝わる表現になっています。
もし表現が気に入らなければ、「もっとカジュアルに」「高級感のあるトーンで」と追加指示を出せば、何度でも調整してくれます。
ステップ2:宗教的配慮やアレルギー表示も忘れずに
インバウンド対策で重要なのが、食材の配慮表示です。特にイスラム圏のお客様向けには「豚肉・アルコール不使用」、ベジタリアンやヴィーガンのお客様向けには「動物性食材の有無」を明記することが、信頼につながります。
ChatGPTに、こんな指示を追加してみてください。
プロンプト例
上記のメニューについて、以下のアイコンマークと説明文を英語で作ってください。
・豚肉を使用している料理
・アルコールを使用している料理
・ベジタリアン対応可能な料理
・ヴィーガン対応可能な料理
・卵アレルギー対応可能な料理
すると、「🐷 Contains pork」「🍷 Contains alcohol」「🌱 Vegetarian available」といった表示例が一覧で出てきます。これをメニューに添えるだけで、外国人のお客様は安心して注文できるようになります。
ステップ3:Canvaでデザインに落とし込む
翻訳ができたら、次は前回ご紹介したCanvaの出番です。Canvaで「multilingual menu」や「restaurant menu」と検索すると、多言語対応のテンプレートがたくさん見つかります。
日本語・英語・中国語・韓国語を並べて表示するレイアウトを選び、ChatGPTで作った翻訳文をコピペするだけ。フォントは、日本語ならNoto Sans JP、英語ならRoboto、中国語・韓国語もNotoシリーズを選べば、統一感が出ます。
ここで注意したいのが、文字数の違いです。日本語で10文字の料理名が、英語では30文字になることもあります。Canvaでは文字サイズを自動調整できますが、見やすさを優先して、レイアウトを微調整しましょう。
所要時間は、慣れれば30分程度。翻訳からデザインまで、トータル1時間で完成です。
デジタル活用:QRコードで「非接触・多言語対応」を実現


紙のメニューを4言語分印刷すると、かさばりますし、修正のたびに印刷し直すコストもかかります。そこでおすすめなのが、QRコードを使ったデジタルメニューです。
Canvaで作った多言語メニューをPDF化し、Google DriveやDropboxにアップロードします。そのリンクをQRコード化して(無料ツールで作成可能)、テーブルに置くだけ。
お客様がスマホでQRコードを読み取ると、自分の母国語のメニューが表示される――これだけで、「このお店、外国人にも優しい!」という印象を与えられます。
さらに、季節メニューや価格変更があっても、PDF を差し替えるだけで全テーブルのメニューが即座に更新されます。印刷コストゼロ、環境にも優しい、まさに一石三鳥です。
診断士の視点:インバウンド客は「価値」に納得すれば高くても買う


ここで、経営戦略の観点からお伝えしたいことがあります。
外国人観光客、特に欧米圏からのお客様は、「価格の安さ」よりも「価値の明確さ」を重視します。つまり、「なぜこの料理が900円なのか」「どんな特別な材料や調理法を使っているのか」が伝われば、むしろ高単価でも喜んで注文してくれるんです。
例えば、「国産豚の生姜焼き定食 1,200円」という日本語メニューだけだと、外国人には「高い」と感じられるかもしれません。でも、ChatGPTで翻訳した英語メニューが、
“Ginger Pork Stir-Fry Set – Made with premium Japanese pork, marinated in our special ginger soy sauce, served with miso soup, rice, pickles, and salad. A complete, hearty meal!”
と書かれていたら、どうでしょう? 「味噌汁、ご飯、漬物、サラダまでついて、しかも高品質な日本の豚肉を使ってるのか。納得!」となりますよね。
こうした「価値の見える化」ができれば、インバウンド客は客単価を引き上げてくれる優良顧客になります。AIを活用することで、言葉の壁を越えて、あなたのお店のこだわりを正しく伝えられるんです。
まとめ:AI導入は怖くない。まずは「翻訳」から始めよう


「AI」「DX」と聞くと、「自分には無理だ」と身構えてしまう飲食店経営者の方も多いと思います。でも、今日ご紹介した方法は、特別なITスキルは一切不要です。
必要なのは、ChatGPTにアクセスして、文章をコピペすること。それだけで、数万円かかる翻訳会社への外注が、ゼロ円・1時間で完了します。
私は川崎・横浜エリアを中心に、飲食店をはじめとする中小企業のDX支援を行っていますが、「AIって難しそう」と思っていた店主の方が、実際に使ってみて「こんなに簡単なんだ!」と目を輝かせる瞬間を何度も見てきました。
インバウンド需要は、これからさらに伸びていきます。今のうちに、AIを味方につけて、外国人のお客様に「また来たい!」と思ってもらえるお店作りを始めませんか?
もし「自分のお店に合った活用法を相談したい」「一緒に作りながら教えてほしい」というご要望があれば、お気軽にお声がけください。泥臭い商売の現場にこそ、AIは役立つ!!その可能性を、一緒に探っていきましょう。


